形成外科治療

ホクロ・イボなど

ホクロ・イボ・皮膚良性腫瘍は「摘出手術」「レーザー治療」の選択があります。
本来は良性のできものですが、中には皮膚がんなど 悪性のできものであることもあります。摘出手術後に病理検査・顕微鏡で確認することで判断できます。

摘出手術

できものの周囲に局所麻酔を行います。傷跡が目立ちにくい方向を考えて、できものを切り取ります。細いナイロンの糸で中から順次縫合します。
通常は、手術当日から洗顔やシャワーも可能です。この方法は、線のきずが残りますので、テーピングや、スポンジによる圧迫治療により、目立たなくすることは可能です。

レ-ザ-治療

できものの周囲に局所麻酔をうちます。炭酸ガス(CO2)レーザーを用いてできものを蒸散(焼き飛ばす)させていきます。
できもの自体は、皮膚の深部にまで達することが多いため、レーザーで蒸散すると、皮膚にクレ-タ-状の穴が空いたようになります。
約2週間は軟膏を塗って治療します。まれに、にきび跡や水ぼうそうの跡のような軽い凹みやピンクの色が残る事もあります。また数回の照射が必要なこともあります。

傷あと・瘢痕拘縮(ひきつれ)

瘢痕拘縮とは、機能障害(運動制限など)を伴ったものを言い、保険適応となります。
顔では、まぶたの開閉障害、 口の開閉口障害など、四肢や手指は、関節可動運動制限を伴うものです。

瘢痕拘縮形成術

Z形成やW形成などの局所皮弁を行います。


  • Z形成術前

  • Z形成術後2週
植皮術

腹部から皮膚を採取して、採取した部位は皮膚腫瘍切除後と同じく縫合します。採取した皮膚を薄く加工して、拘縮を解消させて貼り付けます。約10日くらいで抜糸します。その後もスポンジなどで圧迫加療を行います。

機能障害を伴わない傷あと手術

この手術は、美容目的とみなされ、保険治療の対象となりませんので、自費治療になります。

ケロイド

皮膚腫瘍の一種ですので、皮膚腫瘍摘出手術の適応になります。さらに内服やステロイド注射、スポンジの圧迫療法や近医での放射線治療なども加えて行います。

やけど

通常は外用剤や創傷被覆材を用いて2週間くらい加療いたします。深いやけどの場合は植皮術をおこないます。

植皮術

腹部から皮膚を採取して、採取した部位は皮膚腫瘍切除後と同じく縫合します。採取した皮膚を薄く加工して、拘縮を解消させて貼り付けます。
約10~14日くらいで抜糸します。その後もスポンジなどで圧迫加療を行います。1週間は濡らすことができません。まれに陰圧吸引療法も併用いたします。

キズ・けが

通常は外用剤や創傷被覆材を用いて湿潤環境を保持します。2〜4週間くらい加療いたします。

皮下腫瘍

摘出手術

できものの周囲に局所麻酔を行います。傷跡が最小限で、かつ目立ちにくい方向を考えて、できものを切り取ります。
細いナイロンの糸で中から順次縫合します。通常は、手術当日から洗顔やシャワーも可能です。この方法は、線のきずが残りますので、テーピングや、スポンジによる圧迫治療により、目立たなくすることは可能です。

皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)

基本的には、皮膚良性腫瘍と同じく切除(全部、部分的)して、病理検査を行います。結果によっては局所麻酔で、拡大切除と局所皮弁や植皮術を行います。悪性度の高い場合は近医の病院に紹介させていただきます。

茶アザ・青アザ

アザの場所に局所麻酔か、氷で冷却後にQ-アレックスレーザーやIPL/RF(光治療/高周波治療)などを行います。
レーザー後は、2週間くらい軟膏を塗っていただきます。2〜3か月間は日光に当たらないようにしていただき、色調の濃い場合は複数回にわたり再度レーザーを照射いたします。

耳の変形(折れ耳、カップ耳)・副耳

局所麻酔を行って、軟骨など加工して皮膚を縫合します。スポンジなどの圧迫加療を必要とすることもあります。

床ずれ(じょくそう:褥瘡)、糖尿病などの足潰瘍

外用剤や創傷被覆材などで加療いたします。局所麻酔にてポケット切開術や壊死組織除去術(デブリーメント)も行います。

ニキビ、吹き出物

内服薬(抗生剤)や外用剤などで加療いたします。健康保険が適応になります。また自費診療(IPL/RF、ケミカルピ-リングなど)も行っておりますのでご相談ください。

肌荒れ、かぶれ

内服薬や外用剤で加療いたします。

水虫など

顕微鏡で確認したり、培養検査なども行ております。内服薬や外用剤で加療いたしましす。

うおのめ、たこ

骨突出や荷重によってできますので、原因となる部位の除圧を行って、厚くなった皮膚を削ります。フットケアなども行っております。

多汗症、腋臭症(ワキガ)

腋臭症

アポクリン腺からの汗に細菌感染が加わって特有の臭いを発する疾患を腋臭症といいます。
腋臭症の治療は、超音波吸引法、クアドラカット法など、いろいろな方法が開発されています。当院では、健康保険適応の剪除法を行っています。
わきのしわにそって数cmの切開をくわえ、直視下にアポクリン腺を取り除きますので、もっとも確実にアポクリン腺を除去できる方法と考えられています。毛も同時に減りますので女性の方にはお勧めです(傷痕は残りますが、皮膚のしわに合わせます)。

多汗症

当院ではボトックスによる注射を行っております。ボトックスは注射した部位の神経と筋肉の伝達を止める働きがあります。注射することで汗の量が抑えられます。健康保険が適応されます。
効果は半年から1年程度ですので、1年に1〜2回の注射を行う治療法です。注射当日からも通常の生活(シャワーや入浴)は可能です。剪除法とは異なりまったく毛の消失は認めませんので、男性の方にもお勧めです。

眼瞼(まぶたの)下垂、睫毛内販(逆さまつげ)

眼瞼下垂症とは

目を開いている時に、瞼(まぶた)が正常の位置より下がっている状態を言います。
症状では、まぶたがたるんで見た目が変わった、モノが見にくくなった。肩が凝るとか眉毛が挙がって、顎を突き出して人と話をするなどです。

原因は、先天性の眼瞼下垂と、後天性の眼瞼下垂がります。後天性には、外傷性、神経・筋肉の病気、まぶたの腫れ(アレルギ-性)や緊張などに由来があります。
先天性のものは生まれつき上眼瞼挙筋が弱く、まぶたを十分に開けることが出来ない疾患です。後天性の眼瞼下垂は、外傷性、コンタクトレンズ脱着・アトピ―性皮膚炎による機械刺激性の眼瞼下垂、加齢性の眼瞼下垂があります。眼瞼下垂といっても、挙筋が弱くなっている、あるいは挙筋がはずれてしまっている場合と、皮膚が弛緩している場合とで、手術の方法が異なります。前者の場合は、挙筋前転法(挙筋の位置を正常位置に戻す手術)、後者の場合は、弛緩した皮膚の切除となります。

まぶたが開きにくく、ものが見えにくいという症状なら“目の機能障害”にあたるので、健康保険の適用になります。
症状が軽い人などには、「眼瞼下垂」の治療法ではありませんがメスを使わない改善方法もあります。 「まぶたがたるんできて重く感じるけれど手術するほどではない」という場合“ボトックス注射”で眉山を上げる方法があります。上げるのは不自然でない程度ですが、額への注射で横ジワも防げます。また、まぶたのたるみを折りたたむようにして二重を作って糸で留める“埋没法”はプチ整形の二重まぶたを作る治療法の応用です。ともに原因解決ではない対症療法ですが「見えやすさ」には多少の効果があります。どちらの治療も保険適用外です。一度ご相談ください。

睫毛内反とは

加齢などによって下瞼の筋膜(腱膜)がゆるみ、睫毛が眼球に当たって涙が出たり、眼が赤くなったりします。
睫毛を定期的に抜いたりもしますが手術による治療法もあります。皮膚や筋肉を切除したり、ゆるんだ筋腱膜(スジ)を付け直したりする方法があります。 手術当日から洗顔・入浴も可能ですが、軟膏や目薬(点眼)など行っていただきます。

陥入爪・巻き爪・爪変形や肥厚

生活習慣(細い靴、立ち仕事など)が原因として考えられます。
痛みの症状がなければ、そのまま放置しても構いませんが、周囲の皮膚が赤くはれていたら治療が必要です。
軽いものであれば、シリコンチューブやワイヤーを使って爪を矯正する方法で治ります。1ヶ月間隔の通院で、1年くらいかかります。 痛みの強い場合や早く治したい、という方には、フェノール法による根治術を行います。足指の根元に局所麻酔を行って、巻いている部分(通常3ミリ程度)のみを部分抜爪し、爪を作る組織にフェノールを塗ります。治療時間は大体20分くらいです。当日からシャワーも可能ですが、軟膏を塗っていただきます。 フットケアも行っております。
治療は基本的には、健康保険が適応されます。(ワイヤーなどには保険が効きません)

臍突出症(でべそ)

臍突出症とは

へそは、臍帯(へその尾)が切断された後、乾燥脱落した断端がキズ痕となって、収縮して陥凹した状態として通常は認められます。
臍帯が腹腔内から左右の腹直筋の間を貫いて体外に出る部分は、臍輪とよばれ、繊維が臍帯の周囲をしっかりと輪状にとりまいていて、腹腔内容が腹壁外に、はみ出てこないようになっています。臍窩であるべき部分が陥凹しないで、逆に突出していることがあって、この状態を臍突出症と呼んでいます。

手術方法

突出した組織の処理を外科的に行い、陥凹した臍窩を再建するわけですが、単なる臍突出症と臍ヘルニアでは、手術法がことなります。
臍突出症では、突出した臍を正中で臍輪まで切開し、臍輪と臍皮膚との間に存在する瘢痕組織を除去して、皮膚弁状となって切り開かれた皮膚を適切な位置の臍輪に陥凹固定させて、よい形の臍を作ります。

顔面神経麻痺後の眉毛位置変形・兎眼(眼が閉じない)など

顔面神経麻痺とは

脳外科の手術後や、ヘルペス、突発性(原因はわからない)まま顔の運動につかさどる神経が傷んでしまって、眉毛や前頭筋(おでこのシワ寄せ)、眼が閉じなかったり、口元が下がったりして動きが制限される病気です。
発症直後は、ステロイドの点滴やビタミン剤を内服したり、鏡を見て動かす練習を行います。全身麻酔を行って筋肉を移行したり、神経を移植したりする手術方法もありますが、当院では局所麻酔(瞼や眉毛周囲に注射して)で、眉毛位置を移動させたり、耳介軟骨を上瞼に移植したりする「静的手術」を行います。運動機能の改善は得られませんが、日常生活で眼が乾くのを予防したり、審美改善を目的として行っております。

※ゴールドプレ-ト移植は保険が効きません

顔面痙攣(けいれん)・眼瞼(まぶた)痙攣(けいれん)

顔面痙攣とは

本を読んでいる時や、車を運転中に突然顔面(まぶた等)にぴくぴくと震えが起こることです。
当院では、健康保険が適応となるボトックス注射を行っております。ボトックスは注射した部位の神経と筋肉の伝達を止める働きがあります。注射することで注射した周囲の表情筋の動きを弱めることで、痙攣が抑えられます。注射当日から入浴も可能です。4~6ヶ月くらいで効果が減弱してしまいますで、定期的な治療が必要です。注射後にまれに内出血を認めることがあります。